失敗しない口ゴボの矯正

最近は、抜歯せずに歯並びを整えられることから「非抜歯矯正」が注目されていますが、すべての方に適応できる治療ではありません。

例えば口ゴボの症状によっては、先に抜歯して十分にスペースを作ってからでないと、前歯の突き出た部分を引っ込められないケースもあります。

こうした非抜歯矯正が向かない症例で、「抜歯せずにできる」と間違った診断をくだしてしまうと、スペースが足りないまま強引に歯を動かすことになり、前歯が斜めに突き出してしまう可能性があるのです。そうして治療が失敗に終わります。

拡大床とは、歯列（あごのアーチ）を頬側に拡大してスペースを確保するための装置です。前歯のみを動かすマウスピース矯正や非抜歯矯正でよく用いられます。

この装置を使用する際は注意が必要です。あごの骨が成長し終わった大人の矯正は効果が限定されるため、過度に使用すると歯が外側に飛び出してしまい、口ゴボがさらに酷くなることがあるのです。

マウスピース矯正は、装置が透明で目立たない、手軽に矯正できるなどメリットは多いものの万能とは言えません。

歯並びの乱れが酷い症例では、適応できない場合があるからです。こうした症例の場合、従来のワイヤー矯正で治療する必要が出てきます。

適応外にもかかわらず、「マウスピース矯正が適応できる」と間違った診断で強行してしまうと、口ゴボがますます酷くなる事態に陥りがちです。

　　　
　　　
歯科医師が診断と治療計画を間違えたこと。これが、全ての失敗例の共通点です。

つまり、診断と治療計画を正確に行える歯科医師なら、こうした失敗を避けられると言えます。

「口ゴボがますます酷くなって後悔した」このような結果を招かないために、きちんと診断でき、最適な治療計画を立てられる歯科医師を選ぶことが重要です。

ワイヤー矯正は、AIがない時代から行われている基本的な治療法です。歯科医師が一から治療計画を立案します。

そのため、AIシステムが組み込まれているマウスピース矯正とは異なり、的確に診断・分析する技術が欠かせません。

言い換えれば、ワイヤー矯正を経験している歯科医師なら、AIのサポートなしでも最適な治療計画を立案できるということです。

マウスピース矯正をご検討中の方も、ワイヤー矯正に対応できる歯科医師に診てもらうことをおすすめします。

精密検査の時に、レントゲンに加えてCT撮影も実施している歯科医師か、という点も確認すべきです。

最適な治療計画を立てるためには、それぞれの歯の角度・位置・あごの状態などの情報が不可欠。これらの情報はレントゲンだけで捉えきれないため、より精密に確認できるCTが必要になるのです。

精密検査で細かく確認し、その結果も治療計画に組み込むほど丁寧に治療にあたる歯科医師なら、安心して任せられると思います。

幅広い治療法に対応できるか、という点も重要になります。マウスピース矯正が適応できない場合、別の治療法を提案してくれるからです。

複数の選択肢から症状に合った治療法を考えてくれる歯科医師に、治療を任せると良いでしょう。